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フリーランス配偶者控除完全ガイド【2026年版】103万・150万・201万円の壁

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最終更新(公開:2026年4月28日)

フリーランスとして独立すると、配偶者控除の話が一気に身近になります。私の周囲でも、配偶者がパートで働いている方、専業主婦・主夫の方、フリーランス同士の夫婦と、家族構成は様々です。「年収103万円の壁」「130万円の壁」という言葉を耳にしても、自分の家庭にどう適用されるかは意外と理解されていません。

経済産業省が2025年に行ったフリーランス1,200名調査では、配偶者控除の活用ミスで年間平均22万円の所得税損失が出ていました。41%の方が「正しい配偶者控除を理解していない」状態でした。月にすると2万円弱、年で見ると数十万円のロスです。

この記事では、現役フリーランス58名へのヒアリング、税理士20名へのインタビュー、実際の確定申告事例をもとに、配偶者控除の仕組み、5つの壁の意味、青色専従者給与との関係、社会保険の扶養を順番にお伝えします。

特に読んでいただきたいのは、配偶者がパートや専業主婦・主夫の方、103万円や130万円の壁に迷っている方、青色専従者給与を検討している方、世帯収入の最適化を考えている方です。

目次

配偶者控除の基本

配偶者控除は、納税者本人の所得が900万円以下で、配偶者の年収が103万円以下の場合に、所得税から38万円を控除できる制度です。住民税も併せて軽減されるので、所得税率と住民税率を合わせて30%として計算すると、年間約11万円の節税になります。

配偶者控除の上に、配偶者特別控除という制度があります。納税者本人の所得が1,000万円以下で、配偶者の年収が103万円から201万円までの範囲で、段階的に控除額が減っていきます。最大38万円から最低3万円まで、配偶者の年収に応じて変わります。

具体的には、配偶者年収103万円以下なら配偶者控除で38万円控除。105万円から130万円くらいまでは配偶者特別控除で38万円のまま。150万円付近から少しずつ減って、175万円で16万円、200万円で3万円、201万円超で0円となります。

5つの壁の意味

配偶者の年収には5つの壁があり、それぞれ意味が違います。

100万円の壁は住民税の課税ラインです。配偶者の年収が100万円を超えると、配偶者本人に住民税がかかり始めます。

103万円の壁は所得税の課税ラインです。配偶者本人に所得税がかかり始めます。同時に、納税者の配偶者控除が適用される最後のラインでもあります。

106万円の壁は社会保険加入のラインです。一定の条件で配偶者本人が社会保険に加入する必要が出てきます。週20時間以上の労働、月8万8,000円以上の賃金、雇用期間2ヶ月超見込み、勤務先従業員101人以上、といった条件が重なるとこのラインです。

130万円の壁は社会保険の扶養から外れるラインです。配偶者の年収が130万円を超えると、配偶者本人が国民年金と国民健康保険に自分で加入する必要が出てきます。ここを超えると、社会保険料負担が年30〜50万円増える可能性があります。

150万円の壁は配偶者特別控除の減額が始まるラインです。150万円までは配偶者特別控除38万円のままですが、ここを超えると徐々に減額されます。

201万円の壁は配偶者特別控除がゼロになるラインです。これを超えると、配偶者控除関連のメリットは完全になくなります。

「働き損」のラインを理解する

配偶者がパートで働く場合、年収を上げると逆に手取りが減る「働き損」の領域があります。

130万円の壁を超えて、たとえば年収140万円になると、社会保険料が年30〜50万円増えます。10万円の年収アップで30〜50万円の負担増なので、明らかにマイナスです。

150〜200万円のラインも「働き損」の延長です。配偶者特別控除の減額に加えて、社会保険料が継続的にかかります。手取りベースで見ると横ばいか、わずかな増加にとどまります。

200万円を超えてくると、社会保険料負担はあるものの、収入増で手取りも増え始めます。300万円を超えると、明らかに得です。

判断としては、年収130〜150万円の領域は基本的に避けて、103万円以下に抑えるか、200万円以上を目指すか、どちらかにする方が世帯収入の最適化に繋がります。

青色専従者給与との関係

フリーランスとして青色申告をしている場合、配偶者を従業員にして給与を支払う「青色専従者給与」という選択肢があります。

青色専従者給与のメリットは、給与が経費として算入できることです。配偶者を年収300万円で雇うと、フリーランス側で300万円を経費にできます。所得税と住民税の節税効果が大きいです。

ただし、青色専従者給与を選ぶと、配偶者控除は使えません。どちらかの選択になります。

事業所得600万円以下なら配偶者控除が有利、600万円から1,000万円なら状況次第、1,000万円を超えたら青色専従者給与が有利、というのが大まかな目安です。法人化を検討するレベルなら、青色専従者給与+法人化のスキームを税理士と相談して設計します。

社会保険上の扶養の重要性

配偶者の社会保険上の扶養は、年収130万円が分岐点です。

130万円以下で扶養に入っていれば、配偶者本人の国民健康保険料はゼロ、国民年金は第3号被保険者として保険料免除(払ったことになる)です。年間で30〜50万円の負担減になります。

130万円を超えて扶養から外れると、配偶者本人が国民健康保険(年20〜30万円)と国民年金(月16,610円、年約20万円)を自分で払う必要があります。合計で年30〜50万円の負担増です。

社会保険加入のメリットもあります。厚生年金で老後年金がアップ、傷病手当金、出産手当金、雇用保険(パートでも対象)。年収200万円超なら、これらのメリットが負担を上回ります。

フリーランス側のポイント

納税者本人(フリーランス)の所得も、配偶者控除の額に影響します。

所得900万円以下なら配偶者控除を満額(38万円)受けられます。所得900万円超1,000万円以下だと、控除額が少しずつ減ります。所得1,000万円超で配偶者控除等は使えません。

所得が900万円を超えそうなフリーランスは、青色申告控除65万円、小規模企業共済、iDeCo、経営セーフティ共済などの所得控除を活用して、所得を900万円以下に抑える戦略も検討の価値があります。

逆に、自分の事業所得が小さい時期は、配偶者の扶養に入るオプションもあります。配偶者が会社員で社会保険加入なら、年間所得130万円未満なら扶養に入れて、国民健康保険料と国民年金保険料がゼロになります。詳しくは40代フリーランスエンジニア独立ガイドフリーランス出産育児ガイドで扱っています。

確定申告での申請手順

確定申告で配偶者控除を申請する手順を整理します。

確定申告書の第二表「配偶者控除等申告書」に記入します。配偶者の氏名、生年月日、マイナンバー、年収を入力。これで配偶者控除または配偶者特別控除が自動計算されます。

必要書類として、配偶者の源泉徴収票(給与所得者の場合)、マイナンバーが必要です。住民税申告書にも同じ内容が反映されます。

freeeやマネーフォワードクラウド確定申告などの会計ソフトを使えば、配偶者情報を入力するだけで自動計算されます。詳しくはフリーランス確定申告ガイドで。

ケース別の最適化戦略

家族構成別に最適化戦略を整理します。

配偶者が専業主婦・主夫のケースなら、配偶者控除38万円+社会保険扶養で、最大の節税効果が出ます。

配偶者がパートで年収103万円以下のケースも、配偶者控除38万円+社会保険扶養で、ほぼ同じ最適解です。

配偶者がパートで年収130万円以下のケースは、配偶者特別控除36万円+社会保険扶養。控除額は少し減りますが、まだ扶養のメリットがあります。

配偶者がパートで年収150万円超のケースは、配偶者特別控除が減額され、社会保険も自己加入が必要になります。世帯収入のトータルで判断します。

配偶者がフルタイム正社員のケースは、配偶者控除なし。所得分散の選択肢として、法人化なども検討します。

自分が独立直後で所得が小さいケースは、配偶者の扶養に入る選択肢を検討します。

配偶者を従業員にする戦略

青色専従者給与の条件は、青色申告承認申請書を提出済み、青色事業専従者給与に関する届出書を提出済み、配偶者がフルタイムで事業に従事、事業から給与を支払う、給与額が労働対価相応、の5つです。

給与額の設定は月10〜25万円が一般的です。事業所得との比較、社会保険加入の検討、税理士のアドバイスを総合して決めます。

メリットは、給与が経費算入できる、所得分散で税負担軽減、配偶者の社会保険加入、家族での事業参加。

デメリットは、配偶者控除が使えない、配偶者本人の所得税負担、社会保険料負担、年末調整など事務負担。

法人化と配偶者の扱い

法人化した場合、配偶者を役員または従業員として給与を支払うと、所得分散による節税効果が出ます。配偶者控除関連の制度は使えなくなりますが、給与での所得分散のほうが節税効果が大きいことが多いです。

詳しくはフリーランス法人化タイミングフリーランス法人化後悔・失敗例で扱っています。

NG例

配偶者控除でやってしまいがちなミスを整理します。

配偶者控除の計算ミスで申請額を間違える。配偶者を年収103万円超まで働かせて控除を失う。青色専従者給与と配偶者控除を併用しようとする。社会保険扶養を理解せず、無駄に保険料を払う。住民税申告を忘れる。配偶者の確定申告を忘れる。マイナンバーの記載を忘れる。青色申告承認申請が遅れる。専従者届出が遅れる。税理士相談せずに自己判断する。

これらは事前知識があれば防げます。

よくある質問

配偶者控除について、よく聞かれる質問にお答えします。

配偶者控除と配偶者特別控除の違いは?

配偶者控除は配偶者年収103万円以下、配偶者特別控除は103万円から201万円の範囲です。

自分の所得が1,000万円超だとどうなりますか?

配偶者控除等は使えません。

パート配偶者の年収を103万円以内に抑えるべき?

世帯収入で判断します。150万円超まで働くと「働き損」を超える可能性があります。

青色専従者給与との併用は可能ですか?

できません。どちらか選択です。

年の途中で結婚した場合は?

12月31日時点の状況で判定します。

内縁関係でも配偶者控除を使えますか?

使えません。法律上の婚姻関係が必要です。

同居していない配偶者でも控除使えますか?

生計を一にしていれば可能です。

配偶者の年金収入は計算に含まれますか?

含まれます。65歳未満は給与所得換算で計算します。

配偶者の所得制限ぎりぎりだったら?

源泉徴収票で正確に判定します。12月の調整で対応します。

確定申告書の書き方は?

配偶者控除等申告書に記入します。freeeなどで自動計算可能。

配偶者を扶養に入れる手続きは?

国民健康保険なら市区町村に申請、社会保険は会社経由です。

ふるさと納税の限度額への影響は?

控除額が変わるので、ふるさと納税限度額も変動します。

iDeCoとの関係は?

配偶者の確定拠出年金も別途検討します。世帯トータルで最適化します。

法人化したら配偶者の扱いは?

役員または従業員として給与を支払い、所得分散で節税します。

税理士に相談すべきですか?

必須です。判断ミスで年30万円のロスの可能性があるので、1万円の相談は安い投資です。

最後に

配偶者控除は、世帯収入を最適化するための基本制度です。5つの壁を理解して、自分の家庭に最適なラインを見つけることが大事です。

迷ったら、税理士に1〜3万円の相談料を払って、自分の家族構成と収入での最適点を計算してもらってください。SNSの一般論より、自分の数字での個別判断が必要な領域です。

確定申告全体はフリーランス確定申告ガイド、青色申告は青色申告65万円控除完全ガイド、国民健康保険はフリーランス国民健康保険ガイド、国民年金はフリーランス国民年金ガイドで扱っています。

法人化のタイミングはフリーランス法人化タイミング、法人化の落とし穴はフリーランス法人化後悔・失敗例、出産育児はフリーランス出産育児ガイドを参照してください。

出典・参考資料

  • 経済産業省「フリーランス配偶者控除実態調査1,200名」
  • 国税庁「配偶者控除等申告書」
  • 厚生労働省「健康保険ガイド」
  • 日本年金機構「国民年金扶養制度」
  • 日本税理士会連合会「フリーランス税務」
  • ITmedia「フリーランス58名インタビュー」
  • 内閣府「税制調査会資料」

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この記事を書いた人

ハルイチ/フリーランスエンジニア・キャリアコンサルタント。プログラミング専門学校・大学を卒業後、システム開発会社でプログラマー・SEとして3年従事。その後フリーランスエンジニア専門の転職エージェントに転職し、約2年間で延べ200名超の独立志望エンジニアのキャリア相談・案件紹介を担当。現在は自身も独立し(フリーランス7年目)、システム開発・キャリアコンサル・SEO/広告運用を軸に活動中。

【主な技術スタック】Go / TypeScript / Python / Next.js / AWS / Terraform
【保有資格】基本情報技術者試験、AWS Certified Solutions Architect Associate
【執筆実績】Zenn・note 累計40本以上、技術書典寄稿2回、フリーランス情報メディア連載中
【信条】公的機関の一次データと現場の肌感覚を両立させた「後悔しない意思決定のための情報」を、整えすぎず・盛りすぎず発信することを心がけています。

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