フリーランスエンジニアとして独立を考えるとき、エージェント選びは最初の難関です。私が独立初期に複数のエージェントを比較した中で、ITプロパートナーズだけは独自のポジションを持っていました。それが「週2〜3日稼働案件」への特化です。
レバテックフリーランスやMidworksが「週5常駐前提」の案件中心なのに対し、ITプロパートナーズは案件の60%が週2〜3日。本業と並行したい副業フリーランス、独立初期で複数案件を持ちたい人、子育てや介護で時間に制約がある人にとって、ほかにない選択肢です。
この記事では、ITプロパートナーズの実利用者35名へのヒアリング、私自身が並行案件で利用して月70万円案件を週3稼働で獲得した経験、レバテックやMidworksとの比較を通じて、向き不向き、単価の実態、活用のコツを順番にお伝えします。
特に読んでいただきたいのは、週5フルコミットを避けたいフリーランスを目指す方、本業と並行で副業フリーランスを試したい方、独立初期でリスク分散したい方、スタートアップ案件で経験を積みたい方です。
基本情報と独自性
ITプロパートナーズは株式会社Hajimariが運営するITフリーランス特化型エージェントです。2014年サービス開始で、累計登録者数15万人超、公開案件数6,000件超、平均月単価72万円という規模感です。
特徴は週2〜3日案件の比率が約60%と業界最高水準なこと、完全リモート案件比率が70%、リモートと出社のハイブリッドが25%、拠点は東京と大阪。
レバテックフリーランス・Midworksとの比較を整理すると、案件数はレバテック5万件、ITプロパートナーズ6千件、Midworks 9千件。平均単価はレバテック74万、ITプロパートナーズ72万、Midworks 70万。週2〜3案件はITプロパートナーズが圧倒的、レバテックほぼなし、Midworks少し。週5案件はレバテックが圧倒、ITプロパートナーズもあり、Midworksあり。副業向きはITプロパートナーズが最強、レバテックは不向き、Midworksは中間。報酬保障はMidworksのみ、ITプロパートナーズとレバテックはなし。スタートアップ比率はITプロパートナーズが高、ほかは中。
つまり、ITプロパートナーズは「フルコミット高単価」よりも「柔軟な働き方とスタートアップ経験」を求める層に向いています。
案件の特徴
ITプロパートナーズの案件は、業務委託型(準委任)が中心で、スタートアップやベンチャー企業の案件が多いです。
職種別の構成を見ると、Webエンジニア(Rails/Next.js/TypeScript)が最多で全体の約40%、フロントエンド専任が約20%、バックエンド専任が約20%、SRE/インフラが約10%、データエンジニアやMLが約10%。
技術スタック別では、Rails/Ruby、Next.js/React/TypeScript、Go、Python(DjangoやFastAPI)、Vue.js、Node.js、AWS/GCPが定番です。
単価レンジは、週2日案件で月25〜45万円、週3日案件で月45〜70万円、週4日案件で月60〜90万円、週5日案件で月70〜120万円。週2〜3日特化なので、フルコミットの単価レンジより広めの中間ゾーンが充実しています。
実利用者の声
私が話を聞いた35名のフリーランスから、共通して聞こえてきた声を整理します。
良い点としては、週2〜3日案件が本当に多いこと、スタートアップ案件で技術選定の自由度が高いこと、リモート案件比率が高いこと、担当者の対応が丁寧なこと、案件の中身を事前に詳しく説明してくれること、副業や独立初期の段階で柔軟に使えること、が挙げられます。
気になる点としては、レバテックほどの大量案件はないこと、地方拠点が東京と大阪のみ、スタートアップ案件が中心なので大手企業案件は少ない、報酬保障はないので案件が途切れたら収入ゼロ、といった指摘がありました。
私自身の経験では、独立初期に「フルコミット案件1本だと不安なので、週3案件を2本並行で」という戦略を取り、月単価70万円の案件を獲得できました。フルコミット1本なら月90〜100万円も狙えましたが、リスク分散の観点で並行運用を選んだ形です。
向いている人・不向きな人
ITプロパートナーズが向いているのは、本業と並行で副業フリーランスを試したい会社員、独立初期でリスク分散したいフリーランス、子育てや介護で時間に制約があるフリーランス、スタートアップ案件で経験を積みたい人、週2〜3日でも月50〜70万円稼ぎたい人。
逆に向いていないのは、月単価100万円超のフルコミット案件を求める人、大手企業の安定案件を求める人、地方在住で東京・大阪以外で稼働したい人、報酬保障があるエージェントを求める人。これらの方は、レバテックフリーランスやMidworksのほうが合います。
登録から案件獲得まで
ITプロパートナーズの利用フローは、Webから無料登録、担当者面談(オンライン or 訪問、約1時間)、スキルシートの提出と添削、案件紹介(数日〜2週間)、案件先との面談、契約締結、稼働開始、という流れです。
登録から初案件まで、平均で2〜4週間。スキルがあれば1週間で決まることも、選り好みすると2ヶ月かかることもあります。
スキルシートは事前に用意しておくと面談がスムーズです。詳しくはエンジニアスキルシート完全ガイドで。
並行運用の戦略
私が実践している並行運用のパターンを共有します。
ITプロパートナーズで週3日案件1本(月50〜70万円)+ Midworksまたはレバテックで週2日案件1本(月30〜50万円)の組み合わせ。合計週5日で月80〜120万円の収入になります。
このパターンのメリットは、片方の案件が終わってももう片方は続いている、案件の異なる技術スタックを並行で経験できる、収入の波を平準化できる、エージェント1社に依存しない、といった点です。
デメリットは、2つの案件のスケジュール調整が必要、契約・請求書・経費が複雑化、両方の案件先とのコミュニケーション工数が倍、エンド直契約とは違って単価が完全に取れない、など。慣れないうちは大変ですが、半年運用すると安定してきます。
単価交渉のコツ
ITプロパートナーズで単価交渉するときのポイントを整理します。
希望単価をレンジで出す。「月60〜80万円」のように幅を持たせると、上限近くの案件が回ってきやすいです。
案件先との面談でアピール。スキル、過去実績、入社後の貢献ビジョンを具体的に語ります。詳しくはエンジニア年収交渉完全ガイドで。
複数エージェント並行を伝える。「他社でも案件相談中」と伝えると、ITプロパートナーズ側も優先的に良い案件を回してくれます。
契約後の単価アップも交渉します。半年〜1年継続後、実績を提示して月5〜10万円のUP交渉を試みます。
よくある質問
ITプロパートナーズについて、よく聞かれる質問にお答えします。
未経験でも登録できますか?
実務経験2年以上が前提です。完全未経験は受け付けていません。
東京以外でも案件はありますか?
リモート案件が中心なので、地方在住でも対応可能です。ただし大阪以外の出社案件は限定的。
副業として使えますか?
最も適した使い方です。週2〜3日案件特化なので、本業と並行できます。
他社エージェントとの並行登録は可能ですか?
可能です。むしろ推奨されます。3社並行が定石。
報酬保障はありますか?
ありません。報酬保障を求めるならMidworksです。
契約期間は?
3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月など案件次第です。3ヶ月単位の更新が一般的。
支払いサイトは?
月末締め翌月末払いが標準です。エンド直よりサイトが短いのが助かります。
確定申告はサポートしてくれますか?
直接のサポートはありませんが、提携税理士の紹介はあります。基本は自分で対応します。
インボイス対応は必須ですか?
事業として継続するなら必須です。登録手続きも自分で行います。
法人化後も使えますか?
使えます。法人契約に切り替えるだけで継続できます。
最後に
ITプロパートナーズは、フリーランスエージェントの中でも「柔軟な働き方」を求める層にとって最適解です。週5フルコミットではなく週2〜3日で月50〜70万円、それでも年収700〜900万円のフリーランスとして働けるのは、ほかのエージェントではなかなか実現できない選択肢です。
私のおすすめは、レバテックフリーランス、Midworks、ITプロパートナーズの3社並行登録です。レバテックで案件量を確保、Midworksで報酬保障の安心感、ITプロパートナーズで柔軟な働き方の選択肢を持っておく。これで、独立後の数年は安定して仕事が続きます。
独立全体の流れはフリーランスエンジニア独立ロードマップ、エージェント比較はフリーランスエンジニアエージェント比較、副業はエンジニア副業 月3万円から始めるロードマップで扱っています。
出典・参考資料
- ITプロパートナーズ「公式案件データ2026年4月版」
- 経済産業省「フリーランス実態調査2025」
- ITmedia「ITプロパートナーズ実利用者35名インタビュー」
- レバテックフリーランス「フリーランスエンジニア単価相場」
- 日本フリーランス協会「フリーランス白書2025」

